次世代がん医療を担う多職種人材養成プラン

お知らせ

文部科学省「次世代のがんプロフェッショナル養成プラン」採択事業

2023年6月、東京医科歯科大学を申請大学として連携7大学が共同で取り組む「次世代がん医療を担う多職種人材養成プラン」が、文部科学省「次世代のがんプロフェッショナル養成プラン」事業として採択されました。

次世代がん医療を担う多職種人材養成プランの実施について

本学事業統括責任者
薬学部 臨床薬剤学教室 教授
がん指導 がん専門薬剤師 下枝 貞彦
(shimoeda@toyaku.ac.jp)

次世代がん医療を担う多職種人材養成プラン(第4期がんプロ)の学内事業総括責任者としてご挨拶をさせていただきます。
東京薬科大学では、第3期がんプロに引き続き現役の薬剤師の皆様に特に焦点を当てた高度ながん治療の専門家を育成するため、大学院教育において革新的な取り組みを行って参ります。
21世紀初頭、がん治療専門施設における抗がん剤の誤投与が社会的な課題となり、これを契機にがん専門薬剤師認定制度が制定されました。しかし、がん専門薬剤師を養成する目標は未だに達成されておりません。この課題に対処するため、私たちは臨床腫瘍専門薬剤師養成コースを設け、資格取得に向けた講義を提供して参ります。また、再生医療等製品や免疫チェックポイント阻害薬に特化した専門薬剤師養成コースも設け、新たな治療分野にも対応いたします。さらに、本プログラムは、がん専門薬剤師の資格申請に必要な症例報告書の提出と査読審査、最終的な筆記試験に向けた準備にも役立つものと考えます。また受講者のその後のキャリア・アップ状況を追跡調査し、プログラムの改善に取り組む予定です。
第4期がんプロの本格稼働は2024年度からとなりますが、今年度はその準備年度として以下のプレ講義とプレワークショップを開催いたします。特に第4期がんプロでは第3期がんプロにおいて活動していた職域部会である「薬剤師部会」が「CAR-T療法やICI等の専門薬剤師養成ワーキンググループ」として生まれかわり、第4期がんプロの運営協議を進めております。
このように、本学はがん治療専門薬剤師の養成に力を入れ、その専門性を高めるためのプログラムを提供しております。これからも皆様のご期待に応えるため、努力と継続的な改善に努めて参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【本事業参画メンバー】

下枝 貞彦
薬学部 臨床薬剤学教室 教授
事業総括
杉浦 宗敏
薬学部 医薬品安全管理学教室 教授

事業推進委員会委員
教育カリキュラム開発・編成担当

降幡 知巳
薬学部 個別化薬物治療学教室 教授
教育カリキュラム開発・編成担当
井上 勝央
薬学部 薬物動態制御学教室 教授
同上
根岸 洋一
薬学部 薬物送達学教室 教授
同上
柴崎 浩美
薬学部 個別化薬物治療学教室 准教授
同上
平田 尚人
薬学部 臨床薬剤学教室 准教授
同上
畔蒜 祐一郎
薬学部 臨床薬剤学教室 助教
同上

次世代がん医療を担う多職種人材養成プランにおける薬剤師関連事業について

【事業戦略】

再生医療等製品(Regenerative Medicine:RM)の中には医薬品と類似した特長を持つ製品があり、薬剤師も扱う分野と考えられます。しかしRMは市場に登場してからの歴史が浅いことから、薬学教育におけるRMの取扱いは十分に整備されていると言えません。
一方免疫チェックポイント阻害薬(Immune Checkpoint Inhibitor:ICI)においては、その適応範囲が製品間で異なることや、併用薬に制限が設けられていることから、実臨床における投与管理が複雑化しています。さらにICIには特有の副作用があり、特異的な副作用対策が必須となります。
そこで、第4期がんプロ事業においては、CAR-T療法・ICIに特化した専門薬剤師養成コースを設けることといたしました。また並行して、前期がんプロ事業に引き続き本学独自に実施の「臨床腫瘍薬学特論」を踏襲し、引き続き幅広い視点からがん専門薬剤師の資格取得を指向した以下にお示しする2コースを設けます。いずれのコースも履修募集は2024年度からとなります。

●CAR-T療法・ICIに特化した専門薬剤師養成コース(インテンシブ)

【目指すべき薬剤師像】

  1. がん薬物療法の中でも製剤の管理や調製、さらには副作用対策において特異的な知識や技術が要求されるCAR-T療法やICIについて、最新の知見を踏まえたpharmaceutical careを実践できる薬剤師
  2. CAR-T療法・ICIに特化した職種間連携体制を構築できる薬剤師
  3. 職種横断的な部門の構成員として、CAR-T療法・ICI療法を俯瞰しマネジメントを行うことができる薬剤師

●臨床腫瘍専門薬剤師養成コース(インテンシブ)

【目指すべき薬剤師像】

  1. がん薬物療法とその支持療法、さらには緩和ケア(非がん疾患の緩和ケアとの比較も含めて)を理解し、薬学手的視点から臨床腫瘍学分野における最新の知見を踏まえたがん薬物療法と緩和ケアを実践できる薬剤師
  2. 患者のライフステージ(小児、AYA世代、高齢者など)、療養環境(在宅、緩和ケア病棟、外来、就労など)におけるがん薬物療法について理解し、処方提案や職種間連携体制を構築できる薬剤師
  3. 職種横断的な部門の構成員として、がん治療を俯瞰しマネジメントを行うことができる薬剤師   

当該コースの本格的稼働は次年度以降となります。本年度はそれに付随する以下の2つのワークショップをプレ講座として開講いたします。

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